白骨の御文章

これは浄土真宗の中興の祖といわれています第8世蓮如上人が、真宗の教えを一般の信者に教えるために、平易に述べたもので80通が納められています。そのなかでも、第16通は、「白骨の御文章(御文)」として、人間のはかなさを諭したもので、葬儀や法事などで用いられています。

経典

意訳

人間のはかない人生をよくよく考えると、この世の中でおよそはかないものは、あっというまに迎える人生の最期である。いまだかって万年も生きたという話を聞かず、一生は早く過ぎるものである。現在でも百年を生きることは難しい。自分が先になるか、人が先になるか。今日とも明日とも知れない命で、遅れる人早く亡くなる人は、木の葉の露、雫の数よりも多い。そうであるならば、朝元気であった者が、夕方には死んで骨になるかもしれない。無常の風が吹いたら、たちまちのうちにまぶたは閉じ、呼吸も停止して、顔色がむなしく変って赤みを失う。そうなれば家族・親戚が集まって歎き悲しむが、蘇生効果はない。さてすべき事をしなければというわけで、遺体を野外に送り、夜中に火葬をして煙となれば、わずかに白骨のみが残るだけである。これはあわれというよりもおろかなことである。ではどうしたらよいかというと、人間のはかない命は老若の順とは限らないので、誰もが早い時期から死後の生の大事を心にかけ、阿弥陀仏に深くおすがりして、念仏すべきである。恐れ多いことよ。恐れ多いことよ。